私たちの身近な食品で幅広く使われている「増粘安定剤(増粘多糖類)」。
ゼラチンやカスタードクリームのとろみ、惣菜や冷凍食品など、
食品の食感のデザインや改良の際に役に立つ「食品界における縁の下の力持ち」として
活躍、様々な目的から使用されていますが、
その背景では懸念点もあります。
今回は、増粘安定剤とその安全性についてまとめてみました。
1.「増粘安定剤」とは

■ 3つに区分
・食品に粘りやとろみをつけるための「増粘剤」
・形が崩れないようにする「安定剤」
・液体をゼリー状に固めるために用いる「ゲル化剤」
これらを2種類以上使用した場合、
全ての多糖類物質名を書かずに省略し
記載可能なのが「増粘多糖類」です。
歯ごたえや舌触り、とろみなど、惣菜からお菓子と幅広く利用されています。
2.増粘安定剤の種類

・種子由来多糖類:食物の種子
・樹脂由来多糖類:食物の分泌液
・海藻由来多糖類:海藻類
・微生物由来多糖類:グラム陰性細菌の培養液より分離して得られたもの
・植物由来多糖類:植物(果実・野菜)
・甲殻由来多糖類:エビ・カニなどの甲殻類
3.増粘安定剤には、健康面で気になるものも…

■ トラガントガム…
マウスの実験で前胃に乳頭腫、がんの発生が確認され消化器系にガンが発生
■ ファーセレラン
鶏卵一個あたり5mgを投与したところ、眼や上顎に異常が発覚
■カラギーナン
マウスの実験で、結腸腺腫の発生頻度が高くなることが観察され、消化器系にガンが発生。
キサンタンガムは、原料がとうもろこし由来で、そのほとんどがGMO(遺伝子組み替え作物)だと言われています。
4.まとめ
増粘安定剤は、食品への使用が少ないことから安全性への確認は、まだ不十分なところもあります。
しかし、動物実験では、発ガン性の結果などが出ていることもあり、気をつけておきたい添加物です。