「食べ物は、国産であれば安全。」
中にはそう思っている方も多いのではないでしょうか?
実は日本は世界ワースト3に入る農薬大国。
1ヘクタールあたりの農薬使用量はアメリカの5倍以上とも言われています。
近年の研究では、農薬を使った食材には、オーガニック野菜に含まれている
「サルべストロール」と言われる物質が少ないことが報告されています。
簡単にサルベストロールとは、無農薬栽培(オーガニック)の野菜、果物、ハーブ等に含まれる植物由来成分のことで、
現代人のサルベストロール摂取量は、100年前と比べ1/10程度まで減少していると言われています。
では、このサルべストロールが少ない食材は、何が問題なのか。
また、それを摂取するために私たちに何ができるのか。
今回は、サルベストロールの力をご紹介します。
1.サルベストロールとは
天然に存在する植物は、紫外線や病原菌などの外部の刺激に対して自分を守る成分を作って戦う仕組みを持ち、この成分の一つに「サルべストロール」があります。
植物が体内で合成する抗菌物質で、植物が外部の刺激を受けてはじめて体内で合成することができます。
このサルべストロールは「天然の抗がん剤」とも言われ、近年医療現場でも注目されている有用な物質で、すでに欧米では医療現場での活躍が見られます。
2.サルベストロールで改善した症例
ステージ1の乳がん宣告を受けた女性(76歳)は、サプリメントを使ってサルべストロールを摂取し、
それに加えて規則正しい食事と適度な運動を日課としたそうです。
摂取を始めて3週間後、胸のしこりが小さくなり、診断から1ヶ月後の再受診ではがんは見つかりませんでした。
この症例から、実際のがん患者においてサルべストロールが生活の質を維持する一つの手段として役立っているともいえます。
また、再びがん化しようとしている細胞にも働きかけるので、予防目的でサルべストロールを摂ることも効果的と言われてます。
参考文献:Cancer and Related Case Studies Involving Salvestrol and CYP1B1
(Brian A Schaefer, JOM Volume 27, 2012)
3. 日本人のサルベストロール不足
日本以外の先進国では1990年代頃からガンの死亡率が減少し、アメリカでは1991年から2015年までの24年間で26%減少しています。
日本だけがガン患者が増える理由は明確ではありませんがその要因のひとつとされているのが「食事」です。
例えば、アメリカでの1人あたりの年間野菜摂取量は113g。ちなみに日本より12kg多く、1日平均にすると約310gに値します。
肉や小麦の消費量が増える一方で野菜の摂取量が減り続けているのが現状です。
4. 農薬が天然の抗がん剤を破壊
慣行栽培で使われる農薬は、植物が抗菌作用を示すことができない上に、
農薬自体にサルべストロールの働きを弱める作用があります。
また、農作物がサルべストロールを作れなくなる理由は、農薬以外にもいくつかあります。
・品種改良
(甘みの強い農作物の増加)
・収穫時期の早期化
(輸入品の農作物は運搬の間に品質を保つために、通常より早い時期に収穫。)
例えば、バナナやアボカドは時間が経つと色が変わるため、早い段階で収穫されますが、
自然界では通常完熟期に菌がつきやすいためサルべストロールが生成する時期も完熟期です。
そのため、輸入品はサルべストロールができる前に収穫され、サルべストロールが減少する傾向があります。
5.慣行栽培とオーガニックとの違い
オーガニック栽培の農作物は、農薬を使った慣行栽培に比べて
3~40倍のサルべストロールが含まれると言われています。
またサルべストロールは、旬の時期に最高レベルに達するため、季節の農作物をすすんで取り入れるのがおすすめです。
6.サルベトロールが多く含まれるもの
サルベストロールが多く含まれているのは、オーガニックのリンゴ、イチゴなどのベリー類、柑橘類、
キャベツやブロッコリー、ハーブ類などの野菜・果物です。
さらに、サルベストロールは皮や種、中皮や根などにも含有されているため、
皮はむかずに調理するなどのホールフードがおすすめ!
また、サルベストロールは熱に強いのが特徴です。
水に溶けやすい性質を持つため、茹でた場合は茹で汁も摂取するといいでしょう。
7.気をつけたいポイントも!
せっかくサルベストロールを摂取しても、阻害物質により効果が半減、もしくは消失する場合もあります。
例えば食事の場合、
農薬・殺菌剤・防カビ剤を使用した食材 / 人工甘味料 / 多量のジュース / グレープフルーツ / 亜麻仁油など。
■ポイント
亜麻仁油を使用している人は、成分が似ているえごま油に置き換えたり、
ジュースの容量はグラスで1日3杯程度に抑えたりするなど。
また、サルベストロールの働きを助ける補助因子となる、ビタミンC / 鉄 / マグネシウムなどの栄養素を一緒に撮ることもおすすめです♪