若者の肉離れの急増中!

オランダで起きている

ミートレスな動きとは

Bene2022.11.25

今回は、オランダで起きているミートレスの背景についてご紹介します。

 

30年後にはオランダの人口の過半数がベジタリアンになると、

18歳以上のオランダ人を対象とした調査で、5人に2人がこう考えていることが明らかになっています。

 

10代〜20代前半のZ世代と、25歳〜40歳ぐらいのミレニアル世代では現時点から肉を減らしている人が

過半数に上っており、スーパーマーケットでは日に日にベジタリアン/ビーガン製品の棚が拡大しているそうです。

 

また、先日のニュースでは環境問題などの観点から、新たな取り組みの一つとして、「肉の広告を禁止」することが発表されました。

 

日本では考えられないほど急ピッチに拡大するオランダのベジタリアン市場の現状と、

ミートレスの取り組みなど合わせてご紹介します。

 

 

1.若者の肉離れの増加

オランダの市場調査会社「Kien」が18歳以上のオランダ人約1,200人を対象に行った調査では、

週に5~7日肉を食べる人が約半数を占め、「肉の摂取量を減らしたい」と考えている人も

全体の約半数に上ることが報告されています。

 

18~29歳の間で肉を減らしたい人が63%、30歳以上の45%を大きく上回っています。

さらに「肉を減らしたい」と考える人の中で、すでに100人中69人が「肉を減らすのに成功」。

また、9人は「全く肉を食べなくなった」と回答しています。

 

この調査から「30年後にオランダの人口の過半数がベジタリアンになる」と予想していることが明らかになりました。

 

3. ベジタブル製品などの充実・売り場の差別化

 

小さなスーパーでもベジタブル・ビーガン製品が当たり前のように売られているオランダ。

環境問題などに加え、新型コロナパンデミック以来、その占有スペースが大幅に拡大しています。

 

■ポイント!

・ベジタブル、ビーガンミートと食肉のコーナーの差別化

 

食肉はプラパッケージ、肉の種類、部位を記したステッカーが貼られているだけなのに対し、

ベジタブル・ビーガンミート商品は、色合いやイメージなどパッケージに工夫が凝らされ、売り場がにぎやかな印象に。

 

食の禁じ手と言われている緑や青の寒色系を推奨は、エコを訴求する色の「緑」でもあり、

ビーガン・ベジタリアンミートのシズル(購買意欲)を誘う色へと認知が変わっているようです。

 

4.ミートレスな取り組み①世界初!完全ミートレスな「ベジタリアンKFC」

ロッテルダム市内の「KFC」が、菜食主義を推奨する一週間「National Week Without Meat」に合わせて、

チキンメニューをすべてベジタリアンオプションにする取り組みを実施し、大きな話題を呼びました。

 

期間限定ではあるものの、世界唯一の“ベジタリアン仕様”のKFCが誕生しました。

 

この実施背景には、「ZEROチキンバーガー」や「チキンテンダー」のテスト導入という意味合いも含まれており、

今後、オランダ全土でのヴィーガン対応メニュー拡大を目指しているそう。

 

今後のオランダのKFCの動きにも注目したいですね。

 

4.(NEW)ミートレスな取り組み②世界初!2024年「肉の広告」を禁止

人口16万人を擁するオランダのハールレム市は、世界で発となる食肉関連の広告を禁止することを実施。

これは畜産業が気候変動に与える影響を考慮したもので、

ハーレム市内のバス停や避難所などすべての公共の場で、肉に関する広告表示を禁止する内容だそう。

 

 対象

・スーパーマーケットで販売されている牛・豚・鶏などの肉類

・ファーストフードの肉メニューまであらゆる肉製品など

 

※ ただし、持続可能な方法でつくられた食肉製品については現時点では未定。

この4食肉広告禁止法の施行は、早ければ2024年に実施される予定で、

さらに、休日の飛行機やガソリン車の利用、化石燃料の使用などについても対象になるそう。

 

5.(ミートレス以外のちょっとした工夫)街中には売り手側によるきっかけ作り

スウェーデン生まれの牛乳の代替品として誕生したオーツ麦を原料とした飲料「オートリー(Oatly)」。

 

近年、オランダの街ではオートリ―の売り手側による広告の仕掛けがあります。

 

それは、ポップなデザインの商品パッケージと、大きく目立つフォントによる面白いテキストの広告。

 

これらが人目を引き、これまで牛乳しか飲んでこなかった消費者にも

「ちょっと試してみようかな」と思わせるきっかけを生み出しています。

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